Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

じごくのししゃ

地獄の使者

海野 十三

Lisez 地獄の使者 (じごくのししゃ) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 75 419 caractères · 152 écrans

Aozora Bunko

彼は五十万円を共謀者に渡した。それに替って、あの恐ろしき「地獄の使者」であるところの缶詰が、彼に手渡されたのである。彼は大安堵をして、告白書を焼却したその直後に殺されてしまったのだ。

彼の考えでは、その告白書の処置をつけた上で、全面的に弟亀之介を痛めつけるつもりでいたのだ。亀之介の方でも、とくにそのことを感付いていて、告白書が兄の手に渡るや否や、あとは大風が自分の方へ向って吹きまくるであろうこと、そして多分自分は放逐されるだろうと先の見透しをつけた。そしてそれなら一層のことにと、兄鶴彌を殺害する意志をかため、その計画に移ったのである。そしてあの告白書を返してやると同時に、その場で兄を地獄に追いやることを考えつき、これこそ一石二鳥であるわいとほくそ笑んだのであった。彼は御丁寧にも死者を後でピストルで撃ち、そのときに殺害したものと思わせ、犯人容疑者まで用意したのだった。

尚、毒瓦斯ケリヤムグインは、鶴彌を斃した後、通気孔や窓の隙間から自然に外へ出て行き、稀薄となっていった。そして約一時間半後、亀之介がクラブを脱出して帰邸し、庭から窓をあけたときには、毒瓦斯はもう致死濃度ではなかったのである。