Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ちきゅうようさい

地球要塞

海野 十三

Lisez 地球要塞 (ちきゅうようさい) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 71 834 caractères · 144 écrans

Aozora Bunko

階段は、もうX大使の頭のところで、つかえている。私は、かなわぬまでも、ここでX大使を追いつめて、せめて足でも捕えて、曳き摺りおろしたい考えだった。

ところがX大使は、なおも悠々と、階段の上にのぼっていく。私は懸命に追いかけた。そして、ついに大使の足を捕えた。

が、なんたる不思議! 私の手は、階段の上の防水扉にいやというほどぶっつかった。見れば、X大使の姿は、そこになかった。有るのは防水扉だけであった。

といって、防水扉は、決して開いたわけではなかった。もし防水扉が開けば、海水が、どっと下におちてくるだろう。しかし、只の一滴の海水も階段の上から降ってこなかった。だから防水扉は絶対に開かなかったのだ。しかもX大使の体は消えてしまったのだ。恰も大使の体は防水扉を透過して、クロクロ島の外に出た――と、そうとしか考えられないのであった。

怪また怪!

私は、階段に取り縋ったまま、大戦慄の末、全身にびっしょり汗をかいた。

大戦慄――夢かテレビジョンか

私は、それから小一時間も、なにをする元気もなく、階段の下にうずくまっていた。

おお、X大使!

なんという恐ろしい人物にめぐりあったものだろう。