Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こうふ

坑夫

夏目 漱石

Lisez 坑夫 (こうふ) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 141 690 caractères · 283 écrans

Aozora Bunko

ところが今度は正反対で、二人共傍にいてくれないで仕合せだと思った。もし見られたらと想像して眼前に、意気地のない、大いに苛められている自分の風体と、ハイカラの女を二人描き出したら、はなはだ気恥ずかしくなって腋の下から汗が出そうになった。これで見ると、坑夫に堕落すると云う事実その物はさほど苦にならぬのみか、少しは得意の気味で、ただ坑夫になりたての幅の利かないところだけを、女に見せたくなかった訳になる。自分の器量を下げるところは、誰にも隠したいが、ことに女には隠したい。女は自分を頼るほどの弱いものだから、頼られるだけに、自分は器量のある男だと云う証拠をどこまでも見せたいものと思われる。結婚前の男はことにこの感じが深いようだ。人間はいくら窮した場合でも、時々は芝居気を出す。自分がアテシコを臀に敷いて、深い坑のなかで、カンテラを提げたまま、休んだ時の考えは、全く芝居じみていた。ある意味から云うと、これが苦痛の骨休めである。公然の骨休めとも云うべき芝居は全くここから発達したものと思う。自分は発達しない芝居の主人公を腹の中で演じて、落胆しながら得意がっていた。