Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こうふ

坑夫

夏目 漱石

Lisez 坑夫 (こうふ) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 141 690 caractères · 283 écrans

Aozora Bunko

そうすると妙な所で詩を拾ったり、文章にぶつかったりするもんだ。自分はこの永年方々を流浪してあるいて、折々こんな因縁に出っ食わして我ながら変に感じた事が時々ある。――しかしそれも落ちついて考えると、大概解けるに違ない。この小僧なんかやっぱり子供の時に聞いた、山から小僧が飛んで来たが化け損なったところくらいだろう。それ以上は余計な事だから考えずに置く。何しろ小僧は妙な顔をして、黒い山の天辺を眺めていた。

すると長蔵さんがまた聞き出した。

「御前、どこへ行くかね」

小僧はたちまち黒い山から眼を離して、

「どこへも行きゃあしねえ」

と答えた。顔に似合わずすこぶる無愛想である。長蔵さんは平気なもんで、

「じゃどこへ帰るかね」

と、聞き直した。小僧も平気なもんで、

「どこへも帰りゃしねえ」

と云ってる。自分はこの問答を聞きながら、ますます物騒な感じがした。この小僧は宿無に違ないんだが、こんなに小さい、こんなに淋しい、そうして、こんなに度胸の据った宿無を、今までかつて想像した事がないものだから、宿無とは知りながら、ただの宿無に附属する憐れとか気の毒とかの念慮よりも、物騒の方が自然勢力を得たしだいである。