Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ぼちてんぼうてい
墓地展望亭
久生 十蘭
Lisez 墓地展望亭 (ぼちてんぼうてい) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 46 485 caractères · 93 écrans
の店へ行きさえすれば、かならずなにか手がかりがある。……かならずかならず!……どんなことがあっても、もう一度逢って見せる。……すぐ次の汽車で巴里へ行って……)
ところで、きょう自殺するほうはどうなるのか。これは、たしかに手痛い詰問だった。
(貴様は、あの娘にも、今日死ぬと誓った)
竜太郎は広間の入口に突っ立ったまま、言いようのない屈辱感に襲われて、赤面した。
この長い間、さまざまに放蕩もし、浮薄な生活もつづけて来たが、卑怯でだけはなかったつもりだ。これだけは、せめてもの日本人の手形だと思って大切にかけて来たのだった。
自殺することは、いまの自分の生活にとっては、いわば真善美の要求で、虚偽だらけの自分の半生の最後に、ただ一度だけ真実な行動をして死にたいと思ったためである。自分のような人間にとっては、自殺は当為であることを認め、いろいろ考えた末に決定したことなのだから、その実行にたいしては、自分自身、すこしの懸念も持っていなかった。予定した通り、予定した日に、かならずやってのける筈だった。これには、嘘はない。……しかし突然、事情が変ってしまった。
竜太郎は呟いた。