Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ぼちてんぼうてい
墓地展望亭
久生 十蘭
Lisez 墓地展望亭 (ぼちてんぼうてい) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 46 485 caractères · 93 écrans
運河をへだてた、やや近い森のうしろから、サーチライトの蒼白い光芒が、三条ばかり横ざまに走り出し、雨雲の腹を撫でながら、中空で交叉したり、離れたりしている。
フォードの古いタキシーが横づけになった。荷担夫は、鞄をタキシーの中へ投げ入れて、手荒に扉をしめると、
「ホテル・ガリッツィヤ」
と、叫んだ。運転手の隣りに鉄兜をかぶった兵士が一人、銃剣のついた銃を股の間にはさんで、石像のように坐っていた。自動車は、停車場の前のひろい通りをのろのろと走り出した。道路の向うから、遠雷の轟くような音が近づいてくる。自動車は急停車すると、あわてふためいたように前灯を消した。
竜太郎の自動車のそばを、小山のようなタンクが、耳も痴いるような地響きをたてながら、まるで、天からでも繰り出してくるように、いくつも、いくつも、通りすぎて行った。――タンクと装甲自動車の長い列。それを、騎兵の一隊が追い抜いて行った。ホテル・ガリッツィヤは、維納風の安手な金箔をいたるところにくっつけた古い建物だった。
廿日鼠のような顔をした支配人らしいのへ、竜太郎は、低い声で、たずねた。
「この国で、いったい、何が始まってるんです」