Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

つぼ

壺

山本 周五郎

Lisez 壺 (つぼ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 16 624 caractères · 34 écrans

Aozora Bunko

巨きな樫木がぬきんでている、また裏はひろびろとうちひらけた草地で、ずっとさきは叢林と畑地に続いていた。……庭の一隅に二十坪ほどの道場があって、三日に一度ずつ藤堂家の侍たちが教えを受けに来るが、その日のほかは客も少なく、庭の樹立に来る小鳥のこえも数えられるような、しずかな明け昏れが多かった。

七郎次はまったく下男として働いた、おぬいは厨と手仕事のほかに、庭の一隅へ畑を作って蔬菜つくりを始めた。ひとつ屋敷にいながら又右衛門とは殆んど会うおりがなく、会っても言葉をかけては呉れなかった。年が暮れ、年が明けてもおなじだった。伊賀の盆地をとりかこむ山なみに、朝な夕なうらうらと霞がたなびくようになり、やがて花の使が山から里へとおりて来たが、そのあとを追い急ぐように忽ち野山は若葉となっていった。けれど七郎次の気持にはしばしもとまらぬ季節のうつり変りをあわれと思うほどのいとまもなかった、上野へ来てからやがて半年も過ぎ、短い梅雨のあとにわかに夏がおとずれても、たのみとする人はいっかな刀法を教えては呉れず、ろくろく話をする機会さえない、……どんなことがあっても不平不満を云わない、そういう約束がはじめにとり交わしてあるので、もう少し、もう少しとがまんしていた