Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

へんなおとこ

変な男

豊島 与志雄

Lisez 変な男 (へんなおとこ) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 40 508 caractères · 81 écrans

Aozora Bunko

少し変ってるけれど、ひょっとすると……あれで天才かも知れないわ。」

天才という言葉がすぐには腑に落ちかねて、辰代は眼を瞬いた。

「本当に今晩越してくるのでしょうか。」

「あんな人だから、屹度来るに違いないわ。」

「それなら掃除をしておかなければなりませんね。」

綺麗好きな辰代はすぐに二階の四畳半の掃除にかかった。先ず室を掃き出しておいて、押入や畳に一々雑巾をかけた。それが済むと、もう夕食の時間になっていた。

食事中に辰代はふと思い出して云った。

「電気会社へ行ってこなければなりませんね。」

「どうしてなの。」

「あの人が来て早々から、電気がなくては困るでしょうよ。」

「いやだ、お母さんは。電気はつけ放しじゃありませんか。」

「そうでしたかしら。」

それでも彼女は、二階へ上って見て来なければ安堵しなかった。

卒業したばかりの若い医学士で、二階の八畳を借りてる中村が、病院から帰って来て、和服にくつろいで、玄関の茶の間で煙草を吹かしてる時、そして、辰代が澄子に手伝わして、台所の後片付けをやってる時、大学生は引越して来た。布団の包みと柳行李を一つと白木の机、それだけの荷物をつんだ車の後から、一人でてくてく歩いて来た。