Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

やこうちゅう

夜光虫

織田 作之助

Lisez 夜光虫 (やこうちゅう) de 織田 作之助 (おださくのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 66 871 caractères · 134 écrans

Aozora Bunko

「じゃ……」

起ち上ろうとするのを道子は、

「あらッ。――いまお茶を入れますから……」

このまま小沢が帰ってしまうことが、思いがけず寂しかった。

がなぜ、そんなに寂しいのだろう。

「そうですね。じゃお茶だけ……」

いただきましょうと、小沢は坐り直したが、しなければならないことが山ほどありながら、ふと自分をひきとめたものは、一体何であろうかと、小沢は道子の顔から、あわてて眼をそらした。

その拍子に、雪子の顔がちらと浮んだ。自分の帰りを待っている雪子の顔が……。著物、帯、下駄……。

道子は湯呑みを出そうとして、水屋の戸をあけようとした。

その時、いきなりはいって来た男が、

「おっと……、それ、あけちゃ困りまっせ」

と、道子の手を払おうとした。

「なぜいけないんだ?」

小沢は道子の分までむっとして怒鳴るように言った。

「封印がしてまっさかいな」

男はにやにやした。

「一体、伊部君はいくら借りたんです」

「千円です」

道子が言うのと同時に、男は、

「二万三千円……。元利合計してまっさかいな。へ、へ、へ……」

「千円が二万三千円……? そんな莫迦な……」

「伊部さんにきいてみなさい。