Classiques japonais avec furigana
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よなきてっこつ
夜泣き鉄骨
海野 十三
Lisez 夜泣き鉄骨 (よなきてっこつ) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 15 273 caractères · 31 écrans
「なんだとォ――」わしは、ピリピリする神経を、やっとのことで抑えつけた。「ちょっと電纜工場へ寄ってくるから、五分間ほど、ここで待っていて呉れ」
わしは、間もなく出てきた。
電纜工場を通りすぎると、その先は、文字どおりに、無人郷であった。
漆黒の夜空の下に、巨大な建物が、黙々として、立ち並んでいた。饐えくさい錆鉄の匂いが、プーンと鼻を刺戟した。いつとはなしに、一行は、ぴったりと寄り添い、足音を忍ばせて歩いていた。
「うわッ!」
建物の軒下を伝い歩いていた男が、悲鳴をあげた。皆は、ギョッと、立ち停った。
「な、な、なんだッ」
「工場に、蟇がえるが出るなんて、知らなかったもんで……」
きまりわるそうな、低い声だった、
「ドーン」
二三間先の、鉄扉が、鈍い音を立てて鳴った。
「ウウ、出たッ!」
「や、喧しいやい!」
わしは呶鳴った。蟇がえるを蹴飛ばした先生は、黙っていた。
ひイ、ふウ、みッつ!
やっと、第九工場の、入口が見える。
ぼッと、丸い懐中電灯の光の輪がぶっつかった。
錠前には、異常がない。門衛から借りてきた鍵で、それを外させた。ガチャリと、錠の開いたのが、骨の崩れる音のようだった。