Classiques japonais avec furigana
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よなきてっこつ
夜泣き鉄骨
海野 十三
Lisez 夜泣き鉄骨 (よなきてっこつ) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 15 273 caractères · 31 écrans
このスウィッチ一つで、鳥渡したモートルの開閉は充分できるのであった。
「栗原さん、俺が持ってゆくよ」
横の方から、思いがけない、違った声がして、頭髪をモシャモシャにした若い男が、姿を現した。
「だッ、誰だ。手前は……」
わしは、戸口の蔭から、イキナリ飛び出した男に、駭いた。
「こいつは、横瀬といいましてネ」若い男の代りに栗原が弁解した。「この栗原の遠縁のものです」
「何故ひっぱってきたんだ」
「いまお願いして、倉庫で、私の下を働かせて、いただいてるのです。というのは、下町の薬種屋で働いていたのが、馘首になりましてナ、栗原のところへ、転りこんできたのです」
「ふウん、お前さん、薬屋かア」
珍らしそうに、スウィッチの表や裏を、眺めている若い男に、わしは、声をかけた。
「薬屋だったんです」その横瀬は、ぶっきら棒の返事をした。
「どうだろうな。わしは、お前さんに、ちょっと頼みたいことがあるんだが」
「骨の折れねえことなら、手伝いますよ」
「これッ――」栗原が駭いて、横瀬の汚い職工服を、ひっぱった。
「骨は折れねえことだ。じゃ、栗原、お前の若い衆を、ちょいと借りたぜ」
「へえ、ようがす」