Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ゆめどのさつじんじけん
夢殿殺人事件
小栗 虫太郎
Lisez 夢殿殺人事件 (ゆめどのさつじんじけん) de 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 27 755 caractères · 55 écrans
ねえ法水さん、血みどろの推摩居士は、大体どう云う方法に依って此処まで運ばれて来たのでしょうね? それに、どう考えたって、自分の着衣に血を移すような愚かな自殺的行為を、第一犯人のする気遣いがないでは御座いませんか」
事実盤得尼の云う通りだった。それまで二人ともそれに気付かなかったのは、光線の加減で五、六段から上が血溜りのように見えたからだった。それから、法水は階下の調査を始めたけれども、床の嵌戸に附いている錆付いた錠前を壊して、床下から数片の金泥を拾い上げたのみの事だった。そうして調査が、赭岩ばかりで出来た海底のように、仄暗い階下から離れて、階段の上に移された。
然し、階段の中途まで来ると、さしもの彼も思わず棒立ちになってしまった。パッと眼を打って来た金色の陽炎に眩まされて、殺人現場と云う意識がフッ飛んでしまったばかりでなく、先刻盤得尼の手紙を読んで妄覚と笑ったものが、今や彼の眼前で、寒天のように凝り固まって行こうとしている。そこに横たわっている尼僧の屍体も玉幡も経机も、すべて金泥の花弁に埋もれていて、散り敷いた数百の小片からは、紫磨七宝の光明が放たれているのだ。