Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おおいがわおくやまのはなし

大井川奥山の話

木暮 理太郎

Lisez 大井川奥山の話 (おおいがわおくやまのはなし) de 木暮 理太郎 (こぐれりたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 9 724 caractères · 20 écrans

Aozora Bunko

降りが強いので頼む木蔭から雨が漏って来る、仕方なしに天幕を枝に吊して其中に潜り込み、ほんの一時凌ぎの積りであったが、容易に雨が歇みそうにもないので、天幕を張り直したり火を焚いたり、一しきり野営の準備に忙しかった。此時田代方面に起った雷鳴は、夕方になっても鳴り止まずにいたので、雨も小降りになったかと思うと又強く降り出したりした。附近には鹿の足跡が非常に多く、勁い西風の枝を鳴らす音に交って、例のピューンピューンという細い声が絶えず聞えていた。

此野営で最も困ったのは水である。近くで得られるあてもないから、大きな油紙を拡げて雨水を溜めたり、其他鍋、飯盒、弁当箱、空缶等、何でも水の溜る物は、用が済むと交る交る外に出して雨受けにした。米も研がずに炊いて糠臭いボロボロ飯で我慢した。それも遊んでいるのだから二食と極める。これから赤石岳を踰えて三伏峠まで山上の旅を続けるには、逗留中の食料は出来るだけ節約する必要があった。

明くる四日は昼少し前になって雨は止んだが、西風が強く霧が深いので立つ気になれない。此処は偃松の茂った山稜の高みから三十間許り下った東側なので、うまく西風から保護されている、若し風が南に変ったら一溜りもあるまいと心配になる。