Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おおとりものせんにんつぼ

大捕物仙人壺

国枝 史郎

Lisez 大捕物仙人壺 (おおとりものせんにんつぼ) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 47 606 caractères · 97 écrans

Aozora Bunko

亢奮するばかりが能ではない。宇内の大勢も心得ず、人斬包丁ばかり振り廻すのは人間の屑と云わなければならない。……いい音締だな小気味のよい音色だ」

それは呟いているのではなく、大声で喋舌っているのであった。背後に迫って来た刺客の一人へ、聞かせようとして喋舌っているらしい。

宵ながら町はひっそりと寂れ、時々遙かの方角から脱走兵の打つらしい小銃の音が響いてきたが、その他には犬の声さえしない。

その静寂を貫いて、咽ぶがような、清元の音色が、一脈綿々と流れてきた。

刺客の一人は立ち止まり、じっと安房守を見守った。その安房守は背を向けたまま、平然として立っていた。まことに斬りよい姿勢であった。一刀に斬ることが出来そうであった。

それだのに刺客は斬らなかった。一間ばかりの手前に立ち、ただじっと見詰めていた。彼は機先を制されたのであった。叱※(「口+它」、第3水準1-14-88)するような安房守の言葉に、強く胸を打たれたのであった。しかし今にも抜き放そうとして、しっかり握っている右の手を柄から放そうとはしなかった。

「斬らなければならない! たたっ斬らなければならない! 二股武士、勝安房守! だが不思議だな、斬ることが出来ない」