Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lisez 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 145 722 caractères · 286 écrans
「そうですか。そのお雪ちゃんは、いまもここにいて……?」
「いいえ……」
茂太郎が頭を振るのを、お銀様は透かさず追いかけました。
「此寺にはいないの?」
「ええ、この間までいましたけれど……」
「この間まで……そうして、今どこへ行ったの?」
「温泉へ行きました」
「温泉へ……?」
「ええ」
「どこの温泉」
「さあ……」
お銀様の追窮が急なので、茂太郎に困惑の色が現われましたから、お銀様も、ちょっと手綱をゆるめる気になって、
「お雪ちゃんという娘さんは、幾つぐらいのお歳なの」
「そうですね、あたいは聞いてみたこともないんだけれど……十七か八でしょう」
「そうして、お雪ちゃんは誰と温泉へ行きました」
「誰とだか……」
「お前、知らないの?」
「ええ。だけども、一人で行ったんじゃないんだよ」
「一人じゃないの、幾人で?」
「三人連れで……」
「その三人は、誰と誰?」
お銀様の追窮が、やっぱり急になってゆくので、茂太郎の困惑が重なるばかりです。
「それは、わかってるにはわかってるが、弁信さんが、いうなといったからいわれない」
「そう……」
お銀様も、それ以上は押せなくなりました。しかし、これだけ聞けば、全然得るところがなかったとはいえない。