Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lisez 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 145 722 caractères · 286 écrans

Aozora Bunko

お銀様は今も、持てる金のすべては兵馬に附託して、これで旅の用意の万事をととのえるように、そうして乗物も二人分、通しを頼んでもらいたいということをいいました。

しかし兵馬は、お銀様だけは都合のよい乗物で、自分はドコまでもそれに附添うて、徒歩で行こうと決心をきめて、それによって旅行の準備を進めてしまいました。

兵馬は計らずして、敵の行方に一縷の光明を認めたと共に、思い設けぬ富有の身となりました。附託されたかなりの大金は、いやでも自分が保管するのが義務のようになっている。この奇怪にしてしかも鷹揚なお嬢様は、今後必要に応じて、いくらでも兵馬のために、支出することを辞せない様子を見せている。

あてどもない山奥に、半ば自暴の身を埋めに行こうと決心した兵馬は、ここにゆくりなく、幸運の神に見舞われたようなもので、暫く茫然と夢みる心地でいましたが、若いだけに早くも心に勇みが出て、踏みしめる足許もなんとなく浮き立つように感じ、ほとんどこの何年来にもなかったよろこびに、心が跳るのであります。

そうかといって、この世に代価を払わない幸運というものは一つもない。兵馬にこの幸運を与えた祝福の神は、人の子を取って食う鬼子母の神であってみれば、早晩何かの代価を要求せられずしては済むまいと想われる。