Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lisez 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 145 722 caractères · 286 écrans

Aozora Bunko

これが十月になると、焼ヶ岳も真白になってしまいます。けれども、まだこの道が通えないということはございませんが、十一月になりましては、もういけません」

とにかくに馬を進ませて行くに従って、秋の色は深くなってゆくばかりです。

「まあいいわ……」

五彩絢爛として眼を奪う風景を、正直にいちいち応接して、酔わされたような咏嘆をつづけているのはお雪ちゃんばかりで、久助は馬方と山方の話に余念がなく、竜之助は木の小枝を取って、折々あたりを払うのは、虫を逐うのかも知れません。

「大きな山……」

檜峠のおり道で、お雪が眼をあげてながめたのは硫黄ヶ岳です。

「いつも地獄のように火をふいている焼ヶ岳というものが、あの向うにありますよ」

久助が説明しました。

五彩絢爛たる島々谷の風光の美にうたれたお雪は、風相鬼の如き焼ヶ岳をながめて、はじめて多少の恐怖に打たれました。

「火を吹いているんですか?」

「あれごらんなさい、あのむらむらしているのは雲じゃありません、みんな山からふき出した煙ですよ。焼ヶ岳の頭は、人間ならば髪の毛が蛇になってのぼるように、幾筋も幾筋もの煙が巻きのぼっています」