Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lisez 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 159 272 caractères · 313 écrans

Aozora Bunko

曾無一善の身には、世間の衣一枚は私の悩みでございました……」

弁信が例によって一気にここまで喋ったのを、お銀様はどう聞いたか、

「弁信さん、私のうちへおいでなさい、あなたに着物を着せて上げますから……」

お銀様は弁信法師を伴って、故郷の有野村へ帰りました。

お銀様自身は故郷にそむいていたつもりだが、故郷はお銀様の来るを温かく迎えます。父の伊太夫は泣いて喜び、既往一切の我儘を忘れてくれました。

今まで、ことごとくわれにつらしと思っていた家中のすべてが、みな温かい心を雨のように降らして、そむいて来たものを、なついて来たもののように迎えるのは、多少お銀様のかたくなな心を解いたかも知れません。

しかし、その日は暗いうちにわが一間に入り、翌日は一切、日の目に自分の顔を見せず、無論、家中の誰にも面会ということをしないで、お銀様は、おのが部屋に籠りっきりであります。

それと反対なのは弁信法師で、もう、たどりついたその晩から、有らん限りのお喋りを発揮して、当るを幸いに相手として喋り続け、今朝も起きて、倉に所蔵の白無垢の小袖と、黒の法衣を着せられた時から、人に向って喋りました。