Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lisez 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 254 021 caractères · 495 écrans

Aozora Bunko

それを見送っていると、次にまたのそりのそりと二頭、三頭――野良犬が前後して、鼻を鳴らしながら、飢えた足どりよろよろとして、同じ方向に向って繰込んで来るのです。

これがために、松の根方に突立っていた第二の悪魔が、引込みがつかなくなりました。

江戸時代の御府内に於ての道路の難物は、犬と、生酔いとでありました。その当時は犬に税金がなく、鑑札がなく、また犬殺し家業がありませんでしたから、たとえ五代将軍が保護は加えないにしても、繁殖は盛んでありました。だから、犬は善良なる交通人のための大なる恐怖でありました。白昼に於て然り、夜に於てなおさらに。

自分の行手から、餓えたる犬が群がって来たのでは、これを邀えては事面倒だし、うっかり後ろを見せればつけ入られる。相手が悪い――とでも思ったのでしょう。第二の悪魔、すなわち覆面の姿は、内心苦笑をしながら松の木の下に立ち尽して、けがらわしい相手をそらしてしまおうとでも思案したのか、そのまま動かない。

不思議なことには、こうして、この覆面が針のように立ちつくしてしまっていると、呼吸が騒がないし、有るかなきかを超越した存在となるのである。