Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lisez 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 254 021 caractères · 495 écrans

Aozora Bunko

神尾主膳は興奮のうちにも、三ツ目錐を急所へキリキリと押揉むような、何かしらの痛快を感じたと見えて、額の三眼が、クルクルと炎のように舞い出したのです。

こうなった時は、触るるものみな砕くよりほかはない。傍えにあればあるものを取って抑えて、むちゃくちゃにその興奮のるつぼへ投げ込むよりほかはない。

お絹という女がいれば、こういう興奮を、忽ち取って抑えてぐんにゃりさせてしまう。三ツ目錐の炎を消すには、頽廃しかけたお絹という女の乳白色の手で抑えると、主膳はたあいもなく納まる。そうでなければ酒だ。傍えに酒があれば手当り次第にあおることによって、この興奮を転換させる。転換ということは解消ではない。一時、その興奮を酒に転換させて、方向だけをごまかしてみるだけのもので、酒をあおるほどに、興奮がやがて捲土重来して、級数的にかさにかかって来るのは眼に見えるようなもので、そこで例の兇暴無比なる酒乱というやつが暴れ出して来て、颱風以上の暴威を逞しうする。

今日は、この場にお絹がいない――酒がない。

お絹は異人館へ泊り込んでいる。

酒類は一切隠されている。使を走らせても、近いところの酒屋では融通が利かないことになっている。