Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lisez 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 254 021 caractères · 495 écrans

Aozora Bunko

と言いました。

兵馬はそれを心外なりとしました。果して自分がこの女の言う通りに、うわごとを言ったか、言わないか、それは水かけ論だけれども、眠りに落ちていた醜態を、相当の時間、この女に笑われていたことは事実だ。女の態度を見ると、もうかなり以前に目がさめて、悠々煙草を吹かしながら、じっと揶揄い気味で、自分の舟を漕ぐ様子を見入っていたのだ。

「君は、いつ目が醒めたのだ」

「わたし、お手水に行きたくなって、それで目がさめちまったの――そうすると、あなたはいい心持で舟を漕いでいらっしゃる」

「うむ、そうだったか」

「ですけれども、あなた、お手水場が、外のあんな遠いところにあるでしょう」

「うむ」

「わたし、一人で行けやしないわ」

「うむ」

「ですからね……あなたに連れて行っていただきたいと思いましたわ」

「うむ……」

「うむうむ、おっしゃったって駄目よ、失礼しちゃうけれども、あなたに連れて行っていただかなけりゃ、あんな遠いはばかりまで行けやしませんもの。でも、あんまりあなたがいい心持で舟を漕いでいらっしゃるから、起して上げるのが気の毒になってしまって……」

「うむ」

「あなたを起して上げるのはお気の毒だけれども、わたし一人じゃ、この夜中に、戸の外へ一寸だって出られやしません」