Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lisez 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 178 374 caractères · 345 écrans

Aozora Bunko

でも、外からさした魔は、それっきりで、あとは音沙汰がありません。周囲を見廻す。秋草の中に何者かがおりそうな気持は変らないが、そうかといって、外からねらわれる心配さえ解ければ、内からさして来る魔の手は、いくらでも取消しの道はつくというものです。なんにしても、今晩はめちゃめちゃ、いやいや、昨晩もあの時間からめちゃめちゃでした。花尻の森から人魂が飛んだというあの噂を聞いて、それからいい心持はしなかった、あれを、知らず識らず今晩まで持越したもの、こんな晩には早寝に限ると気がついたが、いま寝についても早寝にはならぬ。とにかく、さんざんの体で、この場の校合はあきらめ、あとの補修は明日のこと――

そう思って、書斎の次の間は寝間、そこにしつらえてある夜のものに埋もれて、今日の厄落しを終ろうと、すらりと立って、片手には丸形の行燈を携え、秋草の襖へ手をかけると、なんとなく心が戦く、その気持を取直して、これもスラリと襖をひらき、誰に憚ることもない己が独自の世界の中に、一足踏み入れると……

「おや」

と言って、その取落そうとした行燈を投げ込むようにつきつけると、侵入すべからざるところに侵入者があって、自分の寝間の中に、しかも、こちらが宵の間にほどよく敷いて置いた夜具の中に、誰かが寝ている。