Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lisez 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 178 374 caractères · 345 écrans
江戸も、本場を知って場末を知らない人もあれば、場末にいて盛り場を知らない人も、いくらもあるものであります。
神尾主膳も、祖先以来の江戸っ子でありながら、江戸というものの地理の多分を知りません。あるところは知り過ぎているが、知らないところは、他国の人の知らないよりも知らない、そういう意味に於て、江戸の市中の再吟味ということが大切だと思いました。たとえば今日、洋行する人が、あわてて日本の内地の名所見物をして置いて出かけるというのと、同じような筋合いになるでありましょう。
このたびの就職から、新しく雇い入れた渡り者の年寄の仲間を一人従えて、市中見物の門出に、根岸から、広小路の方へ出て見ると、食傷新道に夥しい人の行列がありました。無数の人が長蛇の列をなして、町並の軒下に立って、三丁も五丁もつながっている。
「何だい、あれは」
「どんどん焼を買いに出たのでございます」
「どんどん焼?」
神尾が立ちどまって注視しました。どんどん焼を買うべく、この早朝から、この人出。タカがどんどん焼ではないか、神尾には何の意味だかわからない。それを渡り者の老仲間に心得があると覚えて、語り聞かせることには、