Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lisez 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 104 838 caractères · 204 écrans

Aozora Bunko

あんまり静かな時が長く続くものですから、兵助親分が急に気になって、「長いじゃねえか」と言った時は、もう遅かったのです。あの田圃の向うを走る犯人の姿が、ありありと誰の目にも見えました。

「それ!」というので追いかけたが、先方の妙に早いこと、早いこと、まるで鉄砲玉が飛ぶようで、稲田の蔭に没入した後は、どっちの方面から、どう探しても、行方きえ判断することもできなくて、この始末。つまり、完全に罪人を取逃してしまったということになるのです。

「なに、丼の中の二枚の小判ですか、それは、どなたも受取りゃしません、丼と一緒に、さきほどまでこの店先に抛り出されてございました」

それだけ聞くと、白雲は、

「そうか」

と言って、棒のように身を立て直すと、そのまま、すっくすっくともと来た松島の方へ歩み去るのであります。

二十三

右の要領をつきとめた田山白雲は、もうこれで、七兵衛の安否そのものだけは充分だと思ったのでしょう、岩切から真直ぐに仙台へ帰ると、お松にも、その旨を言い含めたのでしょう。それから即刻、宿を引払い、自分が主になって、お松、茂太郎、ムクを引具して、小舟で月ノ浦へ帰ってしまいました。