Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠10

中里 介山

Lisez 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 285 635 caractères · 558 écrans

Aozora Bunko

こんなことなら、ポテトを捨てるではなかった――今更ポテトが惜しくてたまらない。あのポテトさえあれば、当座の飢えをしのぐことができたのだ。当座の飢えをしのいでさえいれば、こうして人様の家へ闖入して、首をしめられ、地獄の境まで見せてもらうような羽目にも落ちなかったろうに、返す返すも、ポテトに恨みがあるようなことを言いました。

その愚痴がおかしいといって、聞きながら駒井甚三郎が笑い出すと、田山白雲は何のことだかわからないが、マドロス氏がしきりに手まねをしながら、ポテト、ポテトという語を繰返すものですから、白雲が横の方から口を出して、

「ポテトというのは、何ですか?」

「それは例の、ジャガタラいものことだよ」

「ははあ、あのジャガタラか……」

白雲がなるほどとうなずくところを、駒井が翻訳して、この男が仲間からいじめられて船を逃げ出す時に、ジャガタラいもを一袋持って海へ飛び込んだが、ジャガタラいもが荷になって思うように泳げない、そこでやむなくジャガタラいもを打捨てて泳いだら、捨てて間もなく岸であった、こんなことならジャガタラいもを捨てるんではなかった、今更ジャガタラいもが惜しい、あのジャガタラいもさえあれば、飢えに迫って、こんな憂目を見なくても済んだに……と今この男がジャガタラいもに向って、かずかずの恨みを述べているところ