Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Lisez 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 285 635 caractères · 558 écrans
御用の声が、二三人、透かさずそのあとを追っかけて、小田原の町の朝景色を掻き乱す。
当人は心得きっているのだから、ここを逃げるのは、それこそ本当の朝飯前だ。山谷や袋町の行詰りとは違い、四通八達の小田原城下を、小路小路まで案内知った常壇場のようなものだから、がんりきとしては、子供相手に鬼ごっこして楽しむようなものかも知れないが、大手通りの町角で、また不意に飛び出した、
「御用!」
の声に面食って、
「こいつは、いけねえ」
敵に用意のあることを知ったがんりきは、ここで真剣になりました。寄手はもう、ちゃんと手筈をきめて、つまり非常線を張って自分を待ちかけているのだ。それを悟らずに、甘く見てかかったのは手落ちだ。この分では、袋の鼠にされちまっている。
「ちぇッ、ドジを踏んじまった」
がんりきは、自分をたのむだけに、相当に敵をも知っている。たとえ行止りであろうとも、一方から追われる分にはなんでもないが、白昼、しかも城下町で、非常線を張って包まれた分には、たまるまいではないか。何だって、外郎なんぞを買いに出たんだろう。いよいよおれもヤキが廻ったかなと、歯がみをしたが、やはり同じように、御用の手先をスリ抜けて、真直ぐに走ると大手門の前へ出る。