Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠10

中里 介山

Lisez 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 285 635 caractères · 558 écrans

Aozora Bunko

弁信は、お銀様というものには少しも悪意を持っていないのです。悪意を持つべきいわれもありませんけれど、親しく生活して、たがいに打ちとけ合ってゆくうちに、お銀様という女の人の性格に、非常にいいところのあるのを、何人よりも多く発見しているのが弁信であります。家の者全体が、その父親でさえが、腫物にさわるようにあしらっているお銀様という人を、弁信のみが、寛宏な、鷹揚な、そうして、趣味と、教養の、まことに広くして、豊かな、稀れに見る良き女性だと信じ、且つ親しむの念を加えてゆくことができるというのが、不思議です。

しかし、お銀様自身は事毎に弁信に向って、自分の形相の、悪鬼外道よりも怖ろしいことを説いて、それを怨ずる度毎に、例の瞋恚のほむらというものに油が加わることを、弁信は手にとるように見ているのです。

だが、幸か不幸か、お銀様自身が吹聴する容貌の醜悪なる所以を、弁信には見て取ることができません――この点は、机竜之助の見る眼と、性質を根本的に異にして、その作用は一つなのであります。

竜之助は、容貌の人としてのお銀様を知らずして、肉の人としてのこの女を、飽くまで知りました。