Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Lisez 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 285 635 caractères · 558 écrans
おれの耳には、十町先でこの声が聞える――と、七兵衛はまた、その時にもそう思いました。
「ちえッ――西も東も闇だ」
一人が懐中をさぐったのは、この場に至って、絵図面でも取り出すものらしい。まだるい話だ。七兵衛が呆れる途端を、あっ! と驚かしたのは、他の一人が、この場でパッと火をすったからです。素人ほどこわいものはない――七兵衛が呆れ返って、舌をまきました。
この場に至って、絵図面を取り出して見ようという緩慢さはまだしも、パッと無遠慮に火をすって、その火で絵図面を調べてかかろうとする度胸のほどが、怖ろしい。
「おやおや、燧じゃねえんだな、この人たちは摺付木を持っているぜ」
と驚きながら、七兵衛があやしみました。
甲賀流の寸分すきのないいでたちの忍びの者にしては、さりとはハイカラ過ぎる。今時ハヤリはじめの西洋摺付木を、この人たちは持っている――自分も三本ばかり人からもらったことがあるが、あれは便利なもので、木でも、石でも、壁でも、すりつけさえすれば火がつく。その摺付木を、かなり豊富に持っている様子を見ると、益々これはただ者ではない――と七兵衛は、その辺にも注意が向きました。