Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lisez 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 368 567 caractères · 720 écrans
その良心の鋭敏なることは、胃の腑が餓えていても、いなくても変りない。
だが、餓えと渇きとの非常である際に、必ずしも良心にそむかぬ方法と程度とに於て、胃の腑の窮乏を救ってやるということの融通は、乞食同様の旅をして歩いた経験のうちに、多少会得しているだろうと思われます。
「おーい」
と呼んでみました。
返事がない。
「おーい、この畑の持主の大将、さつま薯を三本ばかりおいらに恵んでくれねえか、それについでといっちゃあ済まねえが、蕪を一本な――」
あたりに響くだけの声で呼んでみたが、相変らず返事がない。
「ようし、一番」
米友は、懐中へむんずと手を入れて引出した巾着――それを御丁寧に用意の粗紙につつんで、畑の傍らの小松の上に置き、
「お貰い申しますぞ」
畑の中に分け入って、やにわに、蔓をたぐって、さつま薯の太いのを三本ばかり掘り取り――行きがけの駄賃といっては済まない、水気たっぷりの蕪を一株、根こそぎ引きぬいて、さっと表道へ引上げる。
それから、松林の間の細い道――土を落して皮をむいて、歩きながらがりがりとかじる、一本のさつま薯。残りの分は、木の枝でからげて腰にブラ下げて歩み行くと、その林の間から思いがけなく人の気配。