Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lisez 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 368 567 caractères · 720 écrans
天下の往来を歩いて来たのだから、道そのものを踏み誤るはずはないが、立ちどまった時、天下の往来そのものに向って今更らしい、驚異と、迷いとを感じ出した面の色をごらんなさい。
言わないことじゃない、実は、東西と南北とを忘れていたのです。
東西と南北とを忘れたのは、右と左とを取りちがったあやまりであり、近くいえば、鳴海と名古屋とのあやまりであり、それを延長すれば、京と江戸とのあやまりであり、縦に持って行けば、天と地のあやまり。
ここに至って、米友が、はじめて我に帰りました。鳴海の本宿へ出ろといわれたのだが、本宿はうかと通り越したのか――本街道は本街道だが、東と西がわからない。
ああ、何か、東西と南北とを示す標準はないか。
往来の人馬――は動くものだから、標準にならないと思いました。路傍の人家も、特にこの男のために東西を記したのはありません。山川草木も、南北を指しているのはない。道標か、札場は……それも見当らない。
米友は地団太を踏みました。
誰かをつかまえて、尋ねてみれば直ぐにわかることだが、この際の米友は、人間というやつをつかまえて教えを乞うには、かなり驕慢に出来ていました。