Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

Lisez 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 368 567 caractères · 720 écrans

Aozora Bunko

そんな話で、かれこれして眠りについた時分、外はさらさらと時雨の降りそそぐ音。

それがかえって、しめやかな夜を、一層静かなものにし、時々海の彼方でほえるような声が遠音に聞える。

半島国とはいえ、ここから海はかなり遠かろうのに、あの吼えるのは海の中から起るようだ。

それが気のせいか、鯨がやって来て「子をよこせ」「子をよこせ」と叫んでいるように、茂太郎の耳に聞える――

十一

その夜、茂太郎は鯨の夢を見ました。

港の外の渺々たる大洋を、巨大なる一頭の鯨が悠々と泳いでいる。ふと見るとその傍に可愛らしい鯨がついている。

大きいのは母鯨だろう。母子は平和な海に、愉快に泳いでいる。

と、それを見つけた漁師が、けたたましく叫ぶ。みるみる無数の鯨舟が、その二頭の鯨を囲んでしまった。

漁師共がいう、まず子鯨を殺せ、親鯨はひとりでに捕れる、と。

そこで取巻いた二十艘ばかりの八梃櫓の鯨舟が、銛を揃えて子鯨にかかる。

子鯨は負傷する、親鯨はそれを助けんとして奮闘する。鯨舟はこっぱのように動揺する。

母鯨は、子鯨の上にのしかぶさって隠そうとする。子鯨は、負傷に苦しがって浮き出すと、鰭の上に載せていたわる。