Classiques japonais avec furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
Lisez 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 268 946 caractères · 520 écrans
拍子抜けというよりも力負けなんでしょう。立合で言えば全く気合を抜かれてしまったのですから、技も、力も、施す術がないので、相手にイナされようとも、突き出されようとも、御意のままなのです。
そこで、当然、お銀様が米友をリードしてしまって、進んで例の戸口から、この家の中へ大手を振って――暴君とは言いながら女のことですから、形式に於て大手を振るような振舞はなかったけれども、ずっとその昔、本所の弥勒寺長屋で米友から、厳しい咎めだてを蒙りながら、ついに屈することを為さなかった、覆面のまま人の座敷へ進入する、その傲慢無作法だけは今晩も改めないで――ずっと座敷へ、以前、お雪ちゃんも坐り、奇怪千万な剃刀の使い手も坐り、現在は米友が快く夜船を漕いでいた当時の炉辺へ来て、然るべきところへお銀様が、米友に先立って座を占めてしまいました。
おぞましくも、米友はそれにリードされたのみならず、弥勒寺長屋の時のように、たんかをきって、それを咎めだてすることをさえ為し得ず、唯々としてお銀様に導かれて、自分も、さいぜんの夜船の座に直りました。
これは、いかに米友理窟を以てしても、ちょっと文句がつけられないのです。