Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

Lisez 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 268 946 caractères · 520 écrans

Aozora Bunko

そこでお雪ちゃんはまた、弁信をかわいそうだと見ないわけにもゆきません。ごらんなさい、あの通り、あのたどたどしい足どりを。二万呎以上のエヴェレストの探検家の運ぶ足どりと同様に、弁信の身が吹き倒され、吹きまろばされるから、寸進尺退の有様、見るも歯痒いばかりであります。山路が嶮しい上に、あの烈風がまともに吹き下ろすのだから、たまったものではありません。なるほど、音に聞く胆吹颪は怖ろしい、全く、弁信さんという人は進んでいるのだか、退いているのだかわからない、ああ、危ない、あの崖、あそこへ顛落した以上はもう助からない!

その時に、弁信の頭の上の空中から、にわかにまた一団の黒雲が捲き起って来たようなのを認めました。あ、鳥が――またあの大鷲が……

あなやと思う間に、その一羽の大鷲が、急に舞い下って、大風にこけつまろびつしている弁信の胸のあたりを見計らい、一掴みに掴んだ、と見れば、そのまま空中高く舞い上ってしまったのです。つまり、山路を、こけつまろびつ上らんとして、危なく崖下に顛落することの不幸の代りに、空中高く攫われてしまったのです。

あれよあれよ――と呼ぶものは、お雪ちゃんばかりでした。