Classiques japonais avec furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
Lisez 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 319 771 caractères · 617 écrans
九十両も一度にとり込み、十両、二十両は朝飯前ということになってみると、この商売も乙だ、おれも一つこの手をやろうか――なんぞと神尾も妙に気を廻したが、勝や男谷と違って、同じ旗本でもおれは格が違う、そんな真似ができるかと一喝し、読みつづける。
「行ハイロイロシタガ、落合ノ藤イナリヘ百日夜々参詣シ、又ハ王子ノイナリヘモ百日、半田稲荷ヘモ百日参シタ、水行ハ神前ニ桶ヲ置イテ百五十日三時ズツ行ヲシタ、シカモ冬ダ、ソノ間ニハ種々ノコトガ有ッタガ、ココヘハ漏ラシタ、断食モ三四度シタガ出来ヌト云ウコトハナイモノダ」
こいつは断然おれにはできぬと、神尾が考えました。ここにはこともなげに書いてあるが、冬の最中に、百日も百五十日も水行をする、そういうことは、剣術遣いの勝なればこそやれるが、おれにはできぬ、なかなか荒行をやる。本来、この自叙伝には、乱暴、喧嘩、かけおち、すいきょう、座敷牢、千三屋、ロクでもないことには多分に紙筆を費しているくせに、自分の修業のことになると、あんまり書いていないようだが、勝のおやじとても、そうロクでないことばかりではない、本職の剣術をはじめ、相当の鍛錬を積んでいるはずだ。