Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
Lisez 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 319 771 caractères · 617 écrans
だが、滅多に返事を与うべきものではない。そこで、返事がないことを、外ではもどかしがっていると見えて、
「もし、後生一生のお頼みでございます、人の魂二つが、生きようか、死のうか、迷い抜いての上のお訪ねでございます、御庵主様にお願いがあって打ちつれて参りました」
そう言うのは、こんどは、うら若い女の声でしたから、お銀様の胸が安くありません。
前の声は、まだ若い男の声で、こんどのは同じほどの女の声。その世にも哀れに打叩く声音というものは、全く血を吐くような切羽のうめきがあることを、聞きのがすわけにはゆきません。
それでもお銀様は、なおなんらの応対の返事を与えないでおりましたが、お銀様自身よりも、たまり兼ねたものは別室の婆やでありまして、
「どなた様ですか――何の御用でござりましたか知ら」
と言って、起き上った様子です。
婆やが立ってくれれば、何とか取仕切って帰してしまうだろう。こういう頼みの客に対しては、易者の玄関番としての日頃の商売柄、うまく扱ってなだめて帰すことには慣れているはずだ。お銀様はこちらにあって、そのことを心恃みにしていると、しばらくあって、畳ざわりの音が軽いながら入乱れて、どやどやと、この座敷めがけて続いて来る。