Classiques japonais avec furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
Lisez 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 319 771 caractères · 617 écrans
「まあ、有難うございます」
といったようなあんばいで、暇つぶしに彼は、山科から京都くんだりを遊んで来たもののようだが、必ずしも、そうばかりではないらしくもある。
その翌日もまた宿を出かけて、同じような時刻に帰って来て、またこっとう物を懐ろから引張り出して、お宮さん相手に説明する。お宮さん、白鳳期がどうの、弘仁がああのと言ってもよくわからないが、そこは商売柄、いいかげんに調子を合わせると、不破の関守氏も、いい気になって、次から次へでくの坊を引っぱり出して悦に入るが、どうかすると、こっとう以外の珍物を引っぱり出して、よろしかったらこれはお土産として君に上げようと来るものだから、お宮さんは、思いがけない珊瑚の五分玉だの、たいまいの櫛だのというものにありつけるので嬉しがる。
「そないにこっとうばかりあつめて、どないになさいますの、小間物屋さんでもおはじめなさる?」
とお宮さんが呆れるほど、毎日毎日、がらくたを掻き集めて来る。ある時は脱線して、
「お宮さん、これはダイヤモンドの指輪です、その当時は三百円もしましたよ、よろしかったら君に上げよう」
「まあ、三百円のダイヤモンドだっか」