Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あまくさのはる
天草の春
長谷 健
Lisez 天草の春 (あまくさのはる) de 長谷 健 (はせけん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 7 293 caractères · 15 écrans
船は、無人島らしい島々の間を紆余曲折していく。私は、移り行く風景の面白さに、時に松島を思い、時に瀬戸内海を航行した日のことを、思い出しながら、吹きつける北風と、舷側に散る水沫をさけていた。
大矢野島と千束島(この島は天草の乱の策源地といわれている)の間をぬけ、やがて上島近くにさしかかると、雲はいく分切れ、風も弱まつたようであつたが、波はいよいよ高く、時にもり上がるうねりに乗上げると、からだの中心を失いそうにさえなる。同時に、さつと白い飛沫がとび散る。外海――といつても有明海だが――に出ると、波のうねりは一段と高くなり、この位の連絡船では、とてもおし切れそうにも思われない。本渡町までの予定を変更して、大浦に上陸させようとした船会社の処置もうなずけるのであつた。
船室の中に二十四五の、下手な化粧の女がいた。船員が右舷に行つてくれ、といくら頼みこんでも一人位いいじやないのといつて、いうことを聞かないその女は、眼鏡をかけ、いわゆる現代的な女のタイプであつたが、どこからか、大浦上陸後のニユースをもつて来て、しきりに甲高にしやべりちらしていた。大浦から本渡までのバスが来ないですつて、橋がこわれているから、歩かなくちやならないわ、こまつたな、本渡まで七里よ、あんたどうする、歩いたら七時間かかるわ、真夜中までかかるわ、