Classiques japonais avec furigana
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たいへいようまじょう
太平洋魔城
海野 十三
Lisez 太平洋魔城 (たいへいようまじょう) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 93 147 caractères · 187 écrans
呉軍港をおさえるのには、これはどうしても必要だ。どうだ、リーロフ少将」
ケレンコ司令官の声だ。
「いや、おれは、紀淡海峡一本槍だ。せっかくの勢力を、いくつにも分ける作戦は、どうもおもしろくない」
リーロフは、相かわらず、なかなか剛情だ。
カーテンのかげの太刀川青年は、じーっと息をころして、きいている。
それにしても彼は、どうしてこんなところへはいりこむことができたのか。――
クイクイの神様の三浦は、たくみに衛兵長から鍵をうばうと、何くわぬ顔をしてひきたてられて行き、太刀川と同じ監禁室に入れられた。衛兵たちは、出発前夜の酒と御馳走に夢中になっていたので、三浦をほうりこむと、そのくさい部屋から、あたふたと出ていった。だから、三浦が、太刀川の足の枷をほどくことはなんでもなかったのだ。
太刀川と三浦とは、衛兵にうたれてきずついたダン艇長と酋長ロロのきず口に、とりあえず手当をして、ありあわせの布でしばった。
ダン艇長は、右の腕をうたれ、酋長ロロは耳のところにすりきずをうけただけだが、二人とも、びっくりして気をうしなっていたのであった。
太刀川が「よし!」とさけんで、立ちあがったとき、監禁室の扉を、どんどんとたたく者があった。