Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
たいへいようまじょう
太平洋魔城
海野 十三
Lisez 太平洋魔城 (たいへいようまじょう) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 93 147 caractères · 187 écrans
「あ、先生。わたしの体、ながされる。おお、大きな渦、先生、あぶない」
「なに、渦だ。うーむ。いよいよやってきたか」
太刀川が、そうつぶやいた時、石少年の体が、まるで船にでものっているように、すーっと、目の前を流れた。
「せ、先生。渦がわたしをひっぱるよ。た、助けて!」
石少年の細い腕が、高くあがったのを見た。
しかしそれと同時に、太刀川の体も渦にのって流されはじめた。
「おお、石、しっかりしろ!」
もう石少年の返事はない。そのうちに、ぴちぴちという生木をさくような、ぶきみな音が、渦のまん中と思われるあたりから聞えだし、彼の体は、くるくるとまわりだした。
「む、無念だ」
と思った時、急に足が下にひっぱられるような気がした。必死にもがいたが、むだであった。太刀川の体は、いよいよはげしく、まるでこまのように早くまわりだした。
「もう、だめか」
彼は観念の眼をとじた、瞬間、頭の中をかすめるものがあった。
原大佐の顔、
重大使命は?
海魔は?
ケレンコ、リーロフは?
やがて彼の気は、だんだん遠くなっていった。
× × ×
太刀川時夫と石福海を、のみこんだ大きな黒い渦は、ゆらりゆらりと所をかえて行く、その底のあたりに、何か、ぴかりぴかりと光るものがあったが、ごーっという海鳴が一だんと高くなり、あたり一面が