Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

たいへいようまじょう

太平洋魔城

海野 十三

Lisez 太平洋魔城 (たいへいようまじょう) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 93 147 caractères · 187 écrans

Aozora Bunko

ロップ島の原地人たちは、太陽の光をおそれて、昼間はその深い頭巾をかぶり、夜が来てあたりがくらくなると、それをぬぐ習慣だということを後で知った。

さいわいに海は畳のように平らかで、三浦須美吉は大して疲れもしなかった。もう三十キロも来たであろう。時刻もそろそろ夜中の十二時ちかくになるとおもわれる。

「がんばって漕げよ、若い者たち、もうあと半分もないぞ」

酋長ロロは、こえをはりあげて、はげました。原地人たちは、きいきいごえをあげて、酋長の命令にこたえた。

その奇声をじっときいている三浦須美吉は、ふだんののんきな性質もどこへやら、たえられないほどさびしい心になった。

(ああ、おれは今、二十四の青年だが、いったいいつになったら、救いだされて、あのなつかしい日本へかえれるだろうか)

そう思うと胸がせまって、ほろほろと頬の上にあつい涙がながれた。

その時だった。

酋長が、何かするどいこえで叫んだ。

原地人たちは、酋長の叫びをきくと同時に、ぴたり櫂をこぐ手をとめてしまった。そして、き、き、きと妙な声をあげ、あわてて例の頭巾を頭からすっぽりかぶった。

(どうしたのだろう?)