Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
きかいなさいかい
奇怪な再会
Lisez 奇怪な再会 (きかいなさいかい) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 20 996 caractères · 43 écrans
――お蓮はいつか大勢の旅客と、薄暗い船室に乗り合っている。円い窓から外を見ると、黒い波の重なった向うに、月だか太陽だか判然しない、妙に赤光のする球があった。乗合いの連中はどうした訳か、皆影の中に坐ったまま、一人も口を開くものがない。お蓮はだんだんこの沈黙が、恐しいような気がし出した。その内に誰かが彼女の後へ、歩み寄ったらしいけはいがする。彼女は思わず振り向いた。すると後には別れた男が、悲しそうな微笑を浮べながら、じっと彼女を見下している。………
「金さん。」
お蓮は彼女自身の声に、明け方の眠から覚まされた。牧野はやはり彼女の隣に、静かな呼吸を続けていたが、こちらへ背中を向けた彼が、実際寝入っていたのかどうか、それはお蓮にはわからなかった。
三
お蓮に男のあった事は、牧野も気がついてはいたらしかった。が、彼はそう云う事には、頓着する気色も見せなかった。また実際男の方でも、牧野が彼女にのぼせ出すと同時に、ぱったり遠のいてしまったから、彼が嫉妬を感じなかったのも、自然と云えば自然だった。
しかしお蓮の頭の中には、始終男の事があった。それは恋しいと云うよりも、もっと残酷な感情だった。