Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きだんクラブ〔せんごばん〕

奇談クラブ〔戦後版〕

野村 胡堂

Lisez 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 954 caractères · 24 écrans

Aozora Bunko

二

折から下の本堂で、看経の鐘がゴーンと鳴りました。それさえも綾麿は、この冒涜的な頬摺りを責め立てる、五百羅漢の叱喧の声と聴いて、言うにいわれぬ恐怖と、快感と、そして羞恥と、後悔と、言いようも無い感情を、たった七つの小さい胸に躍らせたのです。

二

大正の末頃、彦根屏風が上野の美術館でたった一日だけ展観に供された時、二人の若い美術学生があの屏風の前に立って、朝から夕刻まで、全く食わず呑まずに、文字通り一寸も動かずに頑張って、主催者側を、持て余さしたり、驚嘆さしたりしたことがあります。

何万と押しかけて来た大群集は、この二人の貪婪なる美術鑑賞者のために、どれだけ迷惑を蒙ったかわかりません。が、二人の美術学生は、如何なる非難にも嘲笑にも耳を塞いで、朝の九時から夕刻の五時まで、完全に八時間労働を続けて、名品彦根屏風の一点一画までも貪り味わったのでした。

この態度は褒むべきかどうか、彦根屏風はそれほどの名品かどうか、いろいろ異論のあるところと思いますが、美術鑑賞者の中には、どうかするとこういった途方も無い唯一狂が現れて、飽き易く褪め易き、平凡人を驚かすことも決して少くはありません。