Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きだんクラブ〔せんごばん〕

奇談クラブ〔戦後版〕

野村 胡堂

Lisez 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 161 caractères · 26 écrans

Aozora Bunko

中からは予期した通り放送や事務用に使用する吹込レコードが一枚、丁寧に包んだのが現れて来たのです。

それは会社などで事務用に使用する円筒形のワックスや、軽金属のレコードでは無く、本式の十吋シェラック盤にプレスしたものですが、いうまでもなくラフで、放送局の録音放送などには、盛んにこれを用いております。

「奥さん、この電蓄は使えますでしょうな」

「え、どうぞ」

鈴子夫人の承諾を得ると、佐瀬弁護士は部屋の隅に置いてある、豪勢な電気蓄音機の蓋を開け、遺言の吹込んである十吋レコードを、静かにターン・テーブルの上に置きました。

「さて、では鳴らして見ます。このレコードのレーベル(標紙)には、亡くなった国府さんの署名がありますし、私が実物を預って、秘書の森川さんが鍵を持っておられたのですから、このレコードの内容に就ては、も早疑いのないことと思います。――これが一年前に亡くなった国府金弥さんの声なのですから、どうぞその積りでお聴き願います」

佐瀬弁護士はそう言い乍ら、いとも物々しく針をおろしました。

と、レコードは鳴り出しました。声はまさしく少ししわ枯れたバリトンで、亡くなった国府金弥の吹込んだものに相違ありませんが、文句は――何んと、舳来の阿呆駄羅経を聴いているようで、何が何やら少しもわからないのです。