Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きだんクラブ〔せんごばん〕

奇談クラブ〔戦後版〕

野村 胡堂

Lisez 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 235 caractères · 22 écrans

Aozora Bunko

「危なかったな、松尾さん、――私は本能的に危険を感じて、窓の外から見張っていたのです」

「有難う、江守さん」

「傷は?」

「大した事は無いようですけれど」

「早く手当をしなきゃ――」

「大丈夫です」

あまりの激動に医者を呼ぶ智恵も浮かばず、江守銀二は胸からブローチを引きちぎるように外し、真新しい側の卓子掛けを取って巻きかけました。

「江守さん、そのブローチの裏を見て下さい。私は、――私は今でもそれを持っていたのです」

葉子の手は、卓子の上に置いた血染めのブローチを指します。

「?」

江守は何心なくそのブローチを取って見ると、母親らしい年取った婦人の豆写真をはめ込んだ金の矩形の台座は、何んと古風な二分金をそのまま使ってあるではありませんか。

「あ、矢張りあなただったのか。私も春の独唱会で初めてあなたを見た時から、そんな気がしてならなかったのです。――今晩あんなことを言ったのも、そのためでしたよ。私は矢張り孝行娘を見付けたのだ、丁度十年目で」

「嬉しい、江守さん」

「有難い」

二人は場所柄も忘れ、処女の胸をひたした血潮も忘れて、犇と手を取合って居りました。

「ヘッ、ヘッ、ヘッ、ヘッ、ヘッ」