Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おくのうみ

奥の海

久生 十蘭

Lisez 奥の海 (おくのうみ) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 005 caractères · 26 écrans

Aozora Bunko

それがすすきの穂でもそよいでいるように見える。米所の酒田や新庄から下ってくる運送をここで待ち受け、ひと握りの米の奉謝にあずかろうと、命のあるかぎり、いすわっているのである。

またしばらく行くと、谷川のそばの萱だまりに、足だけ見せて倒れている、四、五人の男女の一組があった。

本土の北の果からでも来たのか、長旅の末にわらじを切らしてはだしになり、青い瓢箪のような足の裏を見せている。福島あたりまで行けば米にありつけると、はるばるここまでやってきたのだが、力尽きて動けなくなったものらしい。

金十郎が、どこの辺から出て来たのか、と声をかけると、もしや奉謝にあずかれるかと、おれは斗南から、わしはどこどこからとつぶやく、

そのなかに京なまりの女の声を聞きつけた。金十郎はわれともなく声のしたほうに行き、五日月の淡い月の光にすかしてみると、猟師のように髪をつかみ乱して荒繩で束ね、垢づいた布子を着て、すさまじい男の恰好になっているが、顔を見れば、まぎれもなく年若いむすめだった。

聞いてみると、去年の夏ごろまで京に住んでいたものだと、かぼそい声でこたえたが、言葉の端々に、隠そうにも隠しようのない、ゆかしい調子があった。