Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おくじょうねんだけのぜってんにたつき

奥常念岳の絶巓に立つ記

小島 烏水

Lisez 奥常念岳の絶巓に立つ記 (おくじょうねんだけのぜってんにたつき) de 小島 烏水 (こじまうすい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 5 541 caractères · 11 écrans

Aozora Bunko

戸帳代りの蓆一枚が、捲くられもしないのに、自分の枕許に、どこよりともなく、影の如く幻の如く、近づくものがある、足音を偸でも「或る物」は「無き物」よりも、隠然たる権威を挟んで予め一種の警告を与えるものである、彼は忍びて先ず、自分たちが生きているのか、死んでいるのかを試んとする如く、つくねんと佇んで覗っている、天地皆死んだとき、宇宙は星の外に皆吹き払われて、空洞になってしまったとき、自分の眼は冴え冴えしくなり、耳まで鞘を払った刀身の如く、鋭利になって、触るれば手応えあらんずるとき、幻は微小なる黒体となって、毬の如く独楽の如くに来た、この黒体が只一つ動くために、小舎の中に静粛に圧伏されている空気までが、それに伴れて活きて来た、自分は昼の疲労も失せてしまい、俄破と頭を擡げると、黒体の小動物はコトコトと音をさせて、石の穴についと辷り込んだ、裾を引いて取ったように。

外へ出て見ると月は高い、槍ヶ岳は大海から頭をのそりと出す烏帽子岩のようで、雪の白条は岩の上へ鴎が糞を落したようだ、自分は恍惚として、今山の巓に立っているのか、波の寄る