Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

にょきゃくいっしゅうかん

女客一週間

豊島 与志雄

Lisez 女客一週間 (にょきゃくいっしゅうかん) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 12 724 caractères · 26 écrans

Aozora Bunko

女給としてはむしろ不似合の顔立だ。また客扱いが上手だというんじゃない。むしろ我儘な方だ。それでいて、彼にとっては――どこまでも、彼にとってはだが――初めからの懇意さから、彼女だけが光っていた。懇意とか馴染とかは、おかしな連鎖を人間の間に拵える。その彼女がいなくなれば、コスモスは薄汚い狭いただのバーに過ぎない。彼女の――この女の――存在が、あすこでも何かの価値を持っていたのだ。

「君がいなけりゃ、行ったってつまらないさ。」

「そう。しばらく行かない方がいいわ。」

彼が? 彼女が? どちらともつかない調子だ。そして微笑しながら、彼の顔を珍らしそうに覗きこんで、二日酔ってどんな気持かしら、などと云い出すんだ。――それは、ぼんやり記憶の糸を辿りながら、自分では少しも口を利きたくなく、そのくせ誰か親しい者の話でも聞いていたい気持だ。――そんなら、全然反動的なものね、などと生意気なことを彼女は云う。酒の酔にも反動があるのは面白いなどと。だけど、酔払うと大抵は誰でもやたらに饒舌になるのは、不思議なことだ。殊に先生のはひどい。ふだんは無口でいて、一度酔ったとなると、やたらにべらべら饒舌りだす。