Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おんなごころのつよければ

女心の強ければ

豊島 与志雄

Lisez 女心の強ければ (おんなごころのつよければ) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 47 011 caractères · 94 écrans

Aozora Bunko

つまり、辰さんの話の若月旅館の一件なのである。松木はそれを買い取ろうと、盛んに柿沼を口説いた。柿沼の方でも、大規模の製菓会社がいろいろ出来てきた現在では、彼の小さな会社は、戦後の一頃のような利益がないばかりか、次第に経営さえ困難になって来たので、もともとその土地出身者ではあり、松木の旅館業経験をたよりに、後図をはかる気にもなって、二、三の共同出資者を物色し始めた。その方はまあそれとして、若月旅館をいったい誰が実際に切り廻してゆくか。人任せには出来ない。大体のことは松木がやるとしても、松木には松月旅館があるし、松木の妻も善良すぎて手が廻りかねるし、結局千代乃を実務の監督に据えようと、そこに話が向いてきたものらしい。前々からの懸案なのである。

「このわたしを、宿屋のお上さんに、そして女中頭に、すえようとたくらんでるのよ。ねえ、この年齢で、可哀そうでしょう。」

だから、千代乃は反対をとなえた。然し、いくら嫌だと言い張っても、むつかしい条件をいろいろ持ち出しても、結局は無視されそうになったので、最も単純素朴な策略を思いついたのである。お琴の勉強をほんとにやりたくなったので、たとえ若月旅館にはいるとしても、毎日、朝から晩まで、お琴ばかり弾くが、それでもよいか。