Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ようば

妖婆

芥川 竜之介

Lisez 妖婆 (ようば) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 37 473 caractères · 73 écrans

Aozora Bunko

ところがこの間新蔵が来て以来、二人の関係が知れて見ると、日頃非道なあの婆が、お敏を責めるの責めないのじゃありません。それも打ったりつねったりするばかりか、夜更けを待っては怪しげな法を使って、両腕を空ざまに吊し上げたり、頸のまわりへ蛇をまきつかせたり、聞くさえ身の毛のよ立つような、恐しい目にあわせるのです。が、それよりもさらにつらいのは、そう云う折檻の相間相間に、あの婆がにやりと嘲笑って、これでも思い切らなければ、新蔵の命を縮めても、お敏は人手に渡さないと、憎々しく嚇す事でした。こうなるとお敏も絶体絶命ですから、今までは何事も宿命と覚悟をきめていたのが、万一新蔵の身の上に、取り返しのつかない事でも起っては大変と、とうとう男に一部始終を打ち明ける気になったのです。が、それも新蔵が委細を聞いた後になって、そう云う恐しい事をする女かと、嫌いもし蔑みもしそうでしたから、いよいよ泰さんの所へ駈けつけるまでには、どのくらい思い迷ったか、知れないほどだったと云う事でした。

お敏はこう話し終ると、またいつものように蒼白くなった顔を挙げて、じっと新蔵の眼を見つめながら、「そう云う因果な身の上なのでございますから、いくらつらくっても悲しくっても、何もなかった昔と詮めて、このまま――」