Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
つまにしつれんしたおとこ
妻に失恋した男
江戸川 乱歩
Lisez 妻に失恋した男 (つまにしつれんしたおとこ) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 5 695 caractères · 12 écrans
わたしはそのころ世田谷警察署の刑事でした。自殺したのは管内のS町に住む南田収一という三十八才の男です。妙な話ですが、この南田という男は自分の妻に失恋して自殺したのです。
「おれは死にたい。それとも、あいつを殺してしまいたい。おい、笑ってくれ。おれは女房のみや子にほれているのだ。ほれてほれてほれぬいているのだ。だが、あいつはおれを少しも愛してくれない。なんでもいうことはきく、ちっとも反抗はしない。だが、これっぽっちもおれを愛してはいないのだ。
よくいうだろう、天井のフシアナをかぞえるって。あいつがそれなんだよ。『おいっ』と、怒ると、はっとしたように、愛想よくするが、そんなの作りものにすぎない。おれは真からきらわれているんだ。
じゃあ、ほかに男があるのかというと、その形跡は少しもない。おれは疑い深くなって、ずいぶん注意しているが、そんな様子はみじんもない。生れつき氷のように冷たい女なのか。いや、そうじゃない。おれのほかの愛しうる男を見つけたら、烈しい情熱を出せる女だ。あいつは相手をまちがえたのだ。仲人結婚がお互の不幸のもとになったのだ。
結婚して一年ほどは何も感じなかった。